camparchさん栞
栞/Camparch
初めてこの歌を聴いたとき感動した。
人生って、長いようで時々、瞬間的なものが
美しく感じるところがある。
例えば、夏の夜にみる花火、春に散る桜、溶けて消えてしまう真っ白な雪、
夏の夜に光を放つ蛍、海辺の砂浜で拾った持ち帰れない貝殻などである。
それ自体の美しさに儚さという感性が重なって、より美しく感じてしまう。
忘れてしまうものならば、思い出だってそうだ。
楽しい瞬間、笑顔になれた瞬間が忘れられない
友達と過ごす贅沢な時間、たまに取るいつもと違う豪華な食事、
気の置けない会話のなかでのささいなやり取り、
そんな全て、目の前で起こった光景。
それがやがて記憶になっていく。
目に見えた瞬間、それが目に見えない記憶となっていく。
人生を一瞬や瞬間という短い時間で切り取ったとき、
忘れたくないという感情を思い起こさせてくれたこと。
それを自分のなかだけに残しておきたいと思う。
記憶は、人生を豊かにしてくれる。
記憶は、やがて今を通り過ぎていく。
それは、過去という言葉で現わせるかもしれない。
しかし、紛れもなく美しい瞬間的があったのは、事実だ。
そんなチェキカメラで納めたようなあの瞬間に
栞をはさんでいきたいと思うのだ。
そして、忘れないように、前に進めるように
ひとつ、ひとつ、
ちいさく、ちいさく、豊かになっていきたいと思う。